2024/03/10 朝霧遠征

前回の投稿からだいぶ間が空いてしまいましたが、朝霧高原に撮影に行ってきました*1

 

14:00ごろに出発し、談合坂でだぼさんと合流。17:00過ぎには現地入りしました。

昼間のうちに機材を組んだのは数年ぶりかもしれません。

 

現地には自分と同じAP赤道儀使いのあせとあみのふぇんさんが遠路はるばる来ていらしたのでご挨拶。お会いしたのは2023年のCP+以来です。

12P彗星 迎撃態勢

P12 (Pons-Brooks) 彗星が近づいてきていたので、とりあえずそれから撮影を開始することにしました。ファインダーで彗星本体を確認できたので、導入は意外とあっさりできたのですが、あっという間に山に沈んでしまい、撮影できたのはわずか20分。

[Pons-Brooks 2024]
Exposure: 1 min * 23 (Total 23 min)
Telescope: Takahashi ε-160ED
Camera: D810A
Mount: Takahashi 90S (K-ASTEC AMD-2N modified)
Guide: M-GEN3 + Kowa LM100JC
Site: Asagiri, Fujinomiya, Shizuoka

彗星が沈んだ後は、撮りたいものを気の向くままに撮影。

[UMa, Merak / M108 / M97]
Exposure: 6 min * 47 (Total, 282 min)

[M13 ヘラクレス球状星団]
Exposure: 3 min * 5 + 6 min * 3 (Total  33min)

[Arcturus]
Exposure: 3 min * 5 (Total  15min)

[アンタレス付近の星雲]
Exposure: 3 min * 39 (Total 114 min)

一晩にこれだけの対象を撮影すると画像処理が適当になってしまいますが、こだわりすぎないのもまた一興。

だぼさんの機材破壊事件や自分のほぼ新品レンズ落下事件等ありましたが、この日は一晩中快晴で、あみのふぇんさんとも色々お話しでき、個人的には今回も楽しい遠征になりました。お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。

 

帰りは少し時間の余裕があったので、精進湖に寄り道をし、富士山を眺めてきました。

精進湖から眺める明け方の富士山

*1:今回の遠征は元々yossy000くんの誘いで始まったのですが、雪の影響諸々で行けなくなってしまったようです。残念。また今度行きましょう!

ガイドカメラの故障と新規導入

新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

オートガイダー、故障

年始早々、これまで長らく愛用していたSS-ONEのオートガイダーが故障しました。自宅からナローバンドフィルター撮影をしようとしていたところ、キャリブレーションが終わってしばらくして見てみると、液晶画面が真っ暗になり事切れていたという次第です。

 

 "SS-ONE オールインワンガイダー v1" が発売されたのは2019年4月のこと。もう5年近く経過しています。ほんまかさんが全て手作りしているということもあり、大変失礼ながら故障の可能性は常に頭にありました。

honmaka.cocolog-nifty.com

新機材導入と、修理完了

ということで、実は故障が起こるちょうど 1週間ほど前に、新機材として MGEN-3を導入*1していたのでした。

そしてありがたいことに、故障品も迅速かつ格安で修理していただいて、本日無事に2台並べることができました。ほんまかさん、ありがとうございます <(_ _)>

どちらの機材にも共通しているのは、「5 Vで動作して、かつ 1 プッシュでガイドができる」という点。自分は機材構成を考える上で "12 V 電源を極力使用しない" というモットーがあるので、PCやASIAIRを使用するという選択肢はなくなり、必然的にここに行き着くわけです。

MGEN-3 には、ドリフト法を用いた極軸合わせ支援やプレートソルブによる座標表示機能も備わっているので、積極的に使っていきたいと思っています。

*1:こちらは 理兵衛_Coo_☆ 様より中古品を格安で譲っていただきました。ありがとうございます <(_ _)>

2023年の振り返り、まとめ、来年の目標

あっという間に年末を迎えてしまいました。

ということで、簡単に2023年を振り返ります。

 

2~4月

  • 初のCP+ 参加
  • 卒業研究、修士課程進学
  • 高校の友人たちと清里遠征、登山

starcracker3010.hatenablog.com

6月

starcracker3010.hatenablog.com

7月

  • 初めての育樹祭記念公園

starcracker3010.hatenablog.com

8月

  • 初の星祭り、胎内星祭りへの参加

starcracker3010.hatenablog.com

9 - 12月

  • 日本天文学会での発表
  • ε-160ED鏡筒の到着
  • 3回の遠征
  • 天文冬の陣への参加

starcracker3010.hatenablog.com

総括と、来年の目標

今年はこれまでコロナで開催されなかった、星祭りや展示会、学会などのイベントがようやく対面で開催されるようになり、さまざまな人たちと直接議論したりお話ししたりすることができるようになりました。先日は天文冬の陣も開催され、日本全国の天文好きたちとお話しできる大変貴重な機会を得ることができました。運営の皆様、本当にありがとうございました。

 

就職先も無事決まりまして、残り少ない学生生活、研究と趣味に没頭できそうです。趣味に傾倒しすぎないよう気をつけます。

 

来年の目標も箇条書きで。

  • カメラ機材の整理 (望遠ズームが欲しい。Nikon FMも欲しい。)
  • 乗鞍合宿に参加する
  • 星以外の写真も撮る
  • 紫金山・アトラス彗星を見に行く
  • 富士山登頂
  • フルマラソン完走 (体力作りに努めます。。。)
  • きちんと修論かく

ということで、今年もたくさんお世話になりました。いつも記事を読んでくださり誠にありがとうございます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m

サムネ用



 

勾玉星雲遠征 @山梨育樹祭

就活がひと段落したので、また遠征してきました。3ヶ月連続です。

遠征地では、静岡西部から自分と同年代のR200SS+SXP+294MM使いの方、埼玉からε-160ED+2600MC+AM5 使いの方とお会いしました。大体機材で相手のことを認識してしまうの、天文あるあるなのですかね。

22時過ぎには後輩のOくんも。一人でメイン級の機材を3セット持ってきており、トラブルに苦戦していたようでしたが、ちゃんと成果出せそうかな。。。

 

明け方はちょっと急いでいたので、今回初めてお話しさせていただいたお二人のSNSアカウント等を聞くの忘れてしまいました。

帰りは月曜の朝だったこともあって、思いっきり渋滞にハマり大変でした。。遅くても4時半には現地出発しないとダメですね。

撮影風景
Result

今回は勾玉星雲を6時間かけて撮影しました。

これで ε-160ED は3回目の実運用ですが、本当にいい鏡筒です。

[勾玉星雲・髑髏星雲・スパイダー星雲]
Telescope: Takahashi ε-160ED (530mm f3.3)
Camera: Nikon D810A
Mount: Takahashi 90S (AMD-2N)
Exposure: ISO 640 / SS 180 sec × 127 , Total 6 hour 21 min
Process: Stella Image9, Photoshop CS5, Photoshop Lr

この領域は天の川にかかっていることもあり、カラフルな星々がひしめき合っています。そのため、星の煌めきと星雲の透明感を意識しながら処理をしていますが、少しギラギラしてしまったかもしれません。画像処理の腕はまだまだです。。

拡大するとより一層楽しめます。


気温と湿度

今回は マイナス11℃を下回りました。この寒さのせいでP-2S赤道儀クランプ周りのグリスが硬くなり、操作が困難になったのが辛かったですね。時間ができたときに分解清掃&グリス交換しようと思います。

撮影後に鏡筒のフードを外したら内壁にまで少し氷が張りかけていてビビりましたが、開口部に近い部分だけだったので、とりあえず特に対策はしないこととします。

 

ところで山梨育樹祭記念公園、すっかり気に入ってしまいました。

木々があって視界がやや狭いのが難点ですが、自宅から1時間半程度とアクセスが非常に良く、富士山もよく見え、南の空が朝霧よりやや暗い (主観) という利点があります。

ここで撮影できそうな対象がまだまだたくさんあるので、これからもしばらく通い続けることになりそうです。

 

Omake

サブ機材で撮影した作品たちです。

[ペルセウス座]
Lens: Canon EF35mm 1:1.4 (→f 4.0)
Camera: Canon EOS Kiss X5 (SEO-SP3)
Mount: Takahashi P-2S (AMD-1NC)
Exposure: ISO 800 / SS 180 sec × 24 , Total 1 hour 12 min
Process: Stella Image9, Photoshop CS5, Photoshop Lr
Filter: 自作フィルター (Lee No.3より弱め)

※ 画面中央 右下の黒っぽいのはセンサー汚れです (^^;;

※ レンズの焦点距離が間違っていたので修正 (2023/12/27 追記)

[冬のダイヤモンドと富士山]
Lens: Nikon AF-S Nikkor 14-24mm f2.8G ED
Camera: Nikon D500
Exposure: ISO 1600 / SS 13 sec × 2
Process: Photoshop 2024, Photoshop Lr
Filter: Lee No.3

2023/11/18 山梨育樹祭 セカンドライト遠征

今回は、すでに都内私立中学の非常勤講師をしている大学の友人から、「AmazonBlack Fridayで購入した望遠鏡の使い方を教えて欲しい」と言われたので、一緒に育樹祭記念公園まで遠征しました。

夕方までは大学で参加必須のイベントがあったので、現地へ着いたのは10時過ぎごろ。

Windyでは曇り、GPV予報では若干雲が出るかもという予報でしたが、一晩中快晴、風もほとんどなく快適に観測できました。

星より機材フェチの構図
視線方向に今回のターゲットが写っています

途中からはS社のA氏がお仕事で来られたので、そのお仕事が終わった後に2時間ほど雑談。会社の話や光学系、大学時代の研究の話題など、色々なお話聞かせいただきました。

星空と富士山と仕事人
縦方向に2枚モザイクしています

この日は富士山がちょうど山の中腹くらいまで雪を被っていてとても綺麗でした。
肉眼だととてもダイナミックな景色なのですが、それを写真で表現できるようになりたいですね。。

Result

・撮影の方は、D810AにPD給電を行っていたケーブル(中華製)が原因でトラブルに見舞われ、5時間露光を予定していたところ3時間のみの撮影となってしまいました。
まあでも途中で気づいて対応できたのはよかった。次回以降はバッテリーグリップと予備電池で凌ごうと思います。

[ オリオン大星雲と周辺の分子雲 ]
Telescope: Takahashi ε-160ED (530mm f3.3)
Camera: Nikon D810A (x1.2 Crop)
Mount: Takahashi 90S (AMD-2N)
Exposure: ISO 640 / SS 180 sec × 58, 30 sec x 12
Process: Stella Image9, Photoshop CS5, Photoshop Lr

・眼視の方は、FOA-60QとAP赤道儀で行いました。シーイングが良くなかったので木星模様の観察は難しかったですが、二重星団や昴、オリオン大星雲などの秋から冬にかけてのメジャー天体は一通り眺めることができました。

 

話は変わりますが、今回の遠征から温湿度ロガーで記録を取ろうと思います。

この日の気温はマイナス2.1度まで下がったようです。

気になるのは11/18 23:00ごろの変動。ちょうど鏡筒 (ロガー) をケースから出した時間です。温度も相対湿度も急激に下がっています。同じ水分量が存在する場合、気温が低下すると相対湿度は上昇するはずですが、ここでは逆の振る舞いをしています。
また、11/19 6:00前後にはこれと逆の現象が見られます。
起こっている物理現象はすごく単純そうな気がしていますが、今のところ原因は不明です。

ε-160ED ファーストライト in 清里

鏡筒を受け取った当日、早速だぼさんと共ににファーストライトに出かけました。

夜露・迷光対策も光軸状態のチェックなどもしていない状態で、ぶっつけ本番です。

 

現場へは22:00ごろに到着し、先に来ていたHさんと合流。前回訪問した際にもお会いした星空案内人の方もいらしていました。

当日はオリオン座流星群の極大日であったためか車の出入りが激しく、鏡筒も幾度となく強烈なヘッドライトを浴びました。画像を見返す限り何枚か被りの生じているものがあったので、フード作成が必要かもしれないです。

左下には、同じくファーストライトを迎えただぼさんの機材が。
Result

[ アルデバランと周辺の星々 (ファーストライト) ]
Telescope: ε-160ED (530mm f3.3)
Camera: Nikon D810A
Mount: 90S (AMD-2N)
Exposure: ISO 800 / SS 180 sec × 4

[ アンドロメダ銀河 ]
Telescope: ε-160ED (530mm f3.3)
Camera: Nikon D810A
Mount: 90S (AMD-2N)
Exposure: ISO 800 / SS 180 sec × 24

[ 馬頭星雲とその周辺 ]
Telescope: ε-160ED (530mm f3.3)
Camera: Nikon D810A
Mount: 90S (AMD-2N)
Exposure: ISO 800 / SS 180 sec × 26

シーイングが悪くイプシロン本来のシャープさを体感できなかったのが悔やまれますが、フラットもおおかた成功し、ゴーストや光条割れも確認されなかったので、当初の目的は十分に達成できました。

おわりに

箱を開けてから数時間後には本撮影という異例の速さのファーストライトでした。それでも問題なく最高精度を得ることができるのは、この鏡筒の完成度の高さであり、多くの人の支持を得る所以であると感じました。

 

これから何を撮影しましょうか。心が躍ります♪

高橋製作所の ε-160ED が届きました

2022年4月に注文してから約1.5年経った先日、到着しました。

高橋製作所の ε-160ED 鏡筒です!

注文時 (当時大学4年生) は2年半待ちと聞いていたので、「大学院卒業するまでに届くかなぁ、気長に待つか〜」というくらいに資金スケジュールを組んでいたのですが。

 

御開帳。

ε-160ED鏡筒

高橋製作所の90S赤道儀 (AMD-2N) に載せて運用します。

なぜこの鏡筒?

天体写真始めた頃から「天体写真に挑戦中~~!」や「天女の天体観測記」などのブログの影響を受けて、ε-130D 鏡筒へ強い憧れを抱いていました。

やがて大学生になって機材構成や環境が大きく変化したことで、160EDでもどうにか運用できそうな気がしてきました。特に、部活で ε-130 の運用を経験したことがかなり効いています。

そして、高橋鏡筒の値上げや納期の伸びが顕著になってきたこと、さらにはだぼさんが同鏡筒の予約をしたことをきっかけに、自分もとうとう注文に至りました (ちなみに、だぼさんとはシリアル番号が連番^^)。

ケースに関して

ALIKANというメーカが販売しているアルミケースを購入しました。内寸は 625×260×270(+ 蓋55) ㎜ です。

ε-160ED用に購入した収納ケース

カメラマウントを接続した状態で収納すると、蓋裏のスポンジと少し干渉します。エクステンダーを装着した状態ではおそらく収納できないのでご注意を。